何も考えない、全く考えない人なんていませんが、楽器の練習、吹奏楽にかぎらなくとも、音楽などの練習となると、何をどうやれば良いかわからない人は多いです。
そこを考えられるように、私が主宰している「吹奏楽指導者アカデミー」では導いて行きます。
そして、それが私の「やり方」です。
考え方を変えていくことも必要な時もある、ということで、ここでは
「吹奏楽部はなぜ長い時間練習するのか」
について考えてみたいと思います。
Contents
吹奏楽は長い時間やらないと上手くならない?
吹奏楽にかぎらずですが、音楽や楽器の練習は長い時間やれば必ず上手くなるものではありません。
ですが、昔から吹奏楽部は運動部と同じように朝から夜まで練習する学校が多いですね。
運動部よりも吹奏楽部のほうが練習時間が長いこともよく聞きますし、見られますね!
あたかもそれを自慢のようにもお話する人も・・・中にはいらっしゃいます。
吹奏楽部が長い時間部活動をできるのは、それだけ保護者や学校が理解しているからでしょう。
なので、すごいことはすごいです。
でも、生徒はその長い時間集中して精神的にも体力的にも苦痛に思わず、吹奏楽部員全員がやれているのでしょうか?
そしてなぜ、長い時間やらなければいけないのでしょうか?
吹奏楽部が長い時間活動する理由
吹奏楽部が学校内で1番長い時間活動をする、練習をする理由はなんでしょう?
1.いっぱい練習しないと上手くならない、と思っている。
2.長い時間練習すれば、上手くなると思っている。
3.吹奏楽では長い時間練習することが「あたりまえ」「常識」だと思っている。
4.吹奏楽部は運動部と同じだから「気合」が必要。だから長い時間やって鍛える、と思っている。
5.「部活動」というものは長い時間やるべきことだ、と思っている。
6.長い時間、吹奏楽部員全員と一緒に過ごすことで「仲間」として仲が深まる、と思っている。
7.吹奏楽部の伝統だから。
私が考えられる理由を出してみました!
いかがでしょうか?
当てはまる事が多くありませんか?
なんだか「悪いこと」のように見えてしまうかもしれませんが、もし「悪いか!」と思ってしまったなら何か自覚があるのかも?しれませんね。
1つずつ考えていきます!
1.いっぱい練習しないと上手くならない、と思っている。
吹奏楽部の顧問の先生でこのように思っている先生は比較的多い印象です。
なぜこのように思ってしまうのでしょうか?
少ない時間だけ楽器練習しても身にならないと思ってしまっている。
数やれば、やった分だけ上手くなると思ってしまっているかもしれません。
これは本当でしょうか?
ただそのように思い込んでいる、誰かに言われた、自分がいっぱい練習してきたから、ではありませんか?
「いっぱい」やらなくても上手になる人もいますね。
ここにヒントが隠されています!
「いっぱい」やらないでも上手になれる人はどうしているか?
2.長い時間練習すれば、上手くなると思っている。
吹奏楽部の顧問の先生、以外でも、ピアノ教室の先生や弦楽器の先生には多い傾向にあると思います。
長時間練習し続けられてしまう楽器ですね。
長い時間練習すれば本当に上手くなるのでしょうか?
私は毎日長時間の練習をして潰れた経験があります。全く音が出なくなりました。
「筋肉」を使いますから、そこは運動系の部活と一緒かと思います。
筋肉の酷使の「しすぎ」は壊すだけです。
自分の筋肉のことは他人にはわかりにくいものです。
それを、「まだ疲れていないんだから練習しろ」と、アスリートに言えませんよね・・・
長い時間練習していて上達が見えないなら、他の方法で、効率よくできて短い時間の練習でも上手くなる方法はあります。
長い時間練習して良い事もあると思います。上手くなることもあると思いますが、反対の事、私みたいに「音がでなくなる」こともある、ということを知っていただきたいです。
3.吹奏楽では長い時間練習することが「あたりまえ」「常識」だと思っている。
こんな声が聞こえてきそうです!
「周りの学校がやっているから」「自分もそうだったから」
「吹奏楽やっている人とか、合奏が長いのは常識でしょ?」
「音楽、楽器は長時間練習するモノ」
「運動部よりも疲れないのだから運動部よりもできるでしょ?」
このように言っている人の意見も正解だとは思います。
ですが、ただ単に自分が「そうだったから」だけで「常識」ととらえているのは危険だと思います。
考え方が固まっていると良いアイディアも生まれにくいですからね!
前にも書きましたが、私は長時間練習して「潰れ」ました。
疲れていることを自分で認めず、疲れていてもやり続けた結果です。
運動部じゃなくても、吹奏楽部も「疲れます」
吹奏楽や合奏が長いのが常識、これもだれが決めたのでしょう?
だれの常識「だった」のでしょう?
長くやれば上手くなるなら、長くやっている人達皆さん同じだけ上手いはず・・・
「あたりまえ」や「常識」を疑ってみることも必要ではないでしょうか?
4.吹奏楽部は運動部と同じだから「気合」が必要。だから長い時間やって鍛える、と思っている。
古い考え方!だと思います(笑)
気合で音楽が良くなるのでしょうか・・・
運動部とは違います・・・
時代に合わせてやれている学校は、運動部でも吹奏楽部でも「気合」なんて使いません。
「効率」です。
気合って、とてもよい言葉だとは思います。
人生で必要な時はあると思います。
吹奏楽で「気合」を使うって、「勝ち負け」をすごく意識しているから出てくる言葉ですよね。
自分に負けるな、〇〇学校吹奏楽部に勝つ!それには気合が必要だ!
気合が足りない!
運動部なら勝ち負けはありますが・・・
吹奏楽コンクールで金賞を取ること、全国大会に出ることが勝つことなのでしょうか?
吹奏楽コンクールで勝つために、「気合」は必要でしょうか?
5.「部活動」というものは長い時間やるべきことだ、と思っている。
「べき論」。
少し簡略化して言ってしまいますが、部活動は「強制」してはいけない、と文化庁のガイドラインには書いてあります。
部活動において「べき論」はあってはならないのではないでしょうか?
これについても、いつ、誰が、部活動は長い時間やるもの、としたのでしょうか?
これも、「昔から言われていることだから」というだけ、ということもあると思います。
「呪縛」かもしれないですよ??
本当に部活動は長くやるべきことでしょうか?
6.長い時間、吹奏楽部員全員と一緒に過ごすことで「仲間」として仲が深まる、と思っている。
たしかに、この考えはあるかもしれませんね!
「同じ釜の飯を食う」またスポコンのようなお話ですが(笑)
これは、合宿とかがイメージしやすいかなと思いますが、合宿だと長く同じ部屋で小人数で過ごすこともありますね。
夜寝る前にお話したり!
普段と違う環境での会話はまた違う受け取り方もあり関係が深まることもあります。
そんな時間もあるとは思いますが、毎日長い時間部活やっていて、吹奏楽部全員と、会話しないことのほうが多いと思いませんか?
50人以上とかになってくると、同じ吹奏楽部だけど会話したこと無い・・・という人もいます。
私もいました(笑)
それでも吹奏楽部員全員の気持ちを1つに、とできることなのでしょうか?
捕らえ方の問題でもあります。
ひねくれた考えで言っているのではありませんので(笑)
繋がりが深くなる相手もできます。
そして、一生の友もできるかもしれません。
良い事もあれば、その反対の悪い事もあることは事実で、私は両方の経験者です。
もっと後輩と会話しておけばよかった・・・
という後悔もあります。
7.吹奏楽部の伝統だから。
伝統、と聞くと全て良い事のように聞こえますね。
全て本当に良い「伝統」なのでしょうか?
今までのあったものを無くしたり、壊したりすることは人はとても難しいです。
今いるところが心地よいと感じるから。
違う世界に入ることをとても恐く感じます。
たとえ今いるところが辛い、苦しくても。
「伝統」が自分を苦しめていませんか?
それは本当に守るべき伝統ですか?
吹奏楽部の良い方向を考える。
私が思う7つの理由について書いてみました。
この7つのことについて、自分が考えている逆の方向から考えてみてください。
本当に必要なこともあると思います。
今ご自分の置かれている状況では必要ないことも見えてくると思います。
長い時間練習する理由、人それぞれかもしれませんが、私の考えは、
「長い時間やったからといってプロになれるわけでもない」
「長い時間やったからといって吹奏楽コンクールで全国大会にいけるわけではない」
ということです。
時間を効率よく使い、練習もほどほどにする。
肉体的にも精神的にも「悪い疲れ」を残さないような工夫をする。
これを考えてみてはいかがでしょうか?
考えて練習をすれば、短時間でも上達します。
長い時間吹奏楽をやっていて変化が無いなら、短くしてみてもよいのでは?
と思います!