中部日本吹奏楽コンクールが中止の発表を出しました。
10月のコンクールなのですが、これに対しても決断は早いのではないか、遅いのではないか、または発表の仕方が悪い、もっと考えられただろう等の言葉を見たり聞いたりしました。
吹奏楽の部活や活動が無くなって安心した人もいますし、無くなったことに怒っている人もいます。
どの意見も人それぞれが感じることなので「ダメなこと」ではないと思っています。
人それぞれ大切にしているところが違うだけで、吹奏楽の未来が良い方向に進んでほしいと願っていることはきっと同じでしょう。
このような決断をしなければいけない吹奏楽連盟の方々はとても苦しい想いで決断されているでしょう。
何が正解か判断は難しいです。もしかしたら、何年か先にならないとこの時の決断が正しかった正しくなかったというのはわからないかもしれません。
今は吹奏楽指導者や関係者は「今できること」に考え方をフォーカスしていくことが大事ではないでしょうか。
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吹奏楽の新たな一歩
吹奏楽部の顧問の先生は特に、これからの部活動の在り方や今の部活動の在り方にとても悩まれていると思います。
色々な活動の仕方が出てきましたね!
動画を撮りみんなでまわしていく「テレワーク」がプロオーケストラ奏者の方々から始まり、アマチュア吹奏楽にも伝わりました。
多くの吹奏楽部が取り組み始めています。
何か行動することはとてもよいことですよね!このような行動から未来が創られます。
会えない分、LINEなどで連絡を取り合い、コミュニケーションを取ったりしている吹奏楽部も多くなってきました。
お家で楽器を練習できる人は、一般吹奏楽団の方達も吹奏楽部の生徒さん達も、できるだけやっていることでしょう。
1人練習時間が多くなりモチベーションが上がらなくなってしまっている人もいると思います。
「つまらないなー、誰かと一緒にやりたいなー」と思ったことから動画テレワークをやっているのだと思います。
「誰かとやりたい」→でも会えない。
「会えないけど一緒にやる方法は?」→動画でテレワーク
このような流れになったと推測します。
この考え方が大事ですよね!
これまで考えたこともなかった吹奏楽の形を考えた一つの結果です。
実際に行動に移した指導者の方々には拍手です。もしかしたら、批判や否定の意見もあるかもしれない中、行動されたのですから。
怖がって動かないのでは何も進歩しません。
日本の吹奏楽の新たな一歩だったと思います。
2020年夏の吹奏楽コンクールは?
夏の吹奏楽コンクールの開催について、各地域の吹奏楽連盟の方々は議論を交わしている事と思います。
今年の開催を現時点で(4月17日)中止にする流れになる考え方としては、
・感染者が少ないとは言っても増えている傾向にある
・無観客、録音審査をするにしても、三密を伴う練習は必要になり、リスクを生じる
・感染者、クラスターが発生したらどうなるのか
・もし吹奏楽で感染者やクラスターが発生してしまったら、それこそ全国から「吹奏楽」というものが悪者になってしまう
・全ての吹奏楽に関わる生徒、奏者の安全、命を守るため
このような考え方があります。
一方、吹奏楽コンクールは毎年のようにやる方向で考えよう、という逆の意見もあります。
・非常事態宣言が出たけど5月6日までなんだから、それ以降に決めても遅くないのではないか
・中高生の生徒にとって吹奏楽コンクールはとても特別なもの。開催中止は生徒が可愛そう
・ホールでやらなくても、録音審査でもよいのではないか
・吹奏楽コンクールを開催するために他に吹奏楽連盟は案を出さないのか
・一般の部とか大学の部はやらなくてもいいけど、中学と高校の部だけでも…
・出れるとこだけ出ればいい
・終息するだろうからいつも通り開催しよう
このような考え方があります。
私はどちらの意見も正しいと思っています。考え方は人それぞれで、今の状況ではいつ開催するしないを決めても100%の人が納得し賛成することは無いからです。
本当にすぐに終息したならば、例年どおり開催されると思います。
すでに中止を決めた地域でも今すぐに終息したならば元に戻せるはずです。
今日の時点ではまだわかりません。
全日本吹奏楽連盟の決定を待つ地域の吹奏楽連盟が多いので、全日本吹奏楽連盟の決定を待つしかなさそうです。
4月8日から5月6日まで全日本吹奏楽連盟の事務局はお休みのようなので、これ以降になる可能性が高いのかなと思っています。
吹奏楽コンクールのこれからについて考えてみる
今後もし、演奏場所となるホールが使えなかったらどうするか、吹奏楽の活動、合奏ができない状態でどのようなコンクールができるのか、今回の吹奏楽コンクール開催について考えている中で出た様々な意見を、これからの吹奏楽コンクールに活かすことができると思っています。
録音審査などすでに取り入れている吹奏楽のコンテストもありますね。
12分だったり7分だったりの時間制限や、課題曲の統一や自由曲の選曲についてなど、やり方や形も変えていけるチャンスでもあるのではないかなと思っていますが、なかなか変わることはないでしょう…
大きな決断や動きが必要になりますし、変われない理由としては、日本人は特に変化を拒む習性があるからですね。
やったことがない、見た事のないことに進むのはとても勇気がいることです。
変われないからダメということではありません。吹奏楽コンクールの中身を変えるというのは大きな事で、体力と強いメンタルが必要になります。
だからこそ、多くの意見交換を交わして沢山のアイディアを出すことから始めないといけません。
そのための時間が今できた、と考えてもよいのではないかなと思っています。
現実的ではない、と思われることも、やってみたらよかった、なんて事はよくあるもの。
〇アンサンブルのコンテストを増やして録音審査をやってみる
〇吹奏楽演奏動画を投稿して審査ではなく、投票式で結果を出してみる
〇吹奏楽部員のソロコンテストを開催する
〇吹奏楽の演奏だけではなく、動画企画の人気投票などやってみる
ほんの少しですが、このような企画も考えられます。
100人いたら100通りの企画案が出てくるのではないでしょうか!
今年も必ず吹奏楽コンクールをやりたい!と思う方々なら、いっぱい出てきますよ!
まとめ
もしかしたら1年、2年と自粛の流れがあることも予想されています。
どんなことになろうとも、今できることは「自分がコントロールできることに集中して行動すること」だと思います。
今年吹奏楽コンクールができないとしたら、代わりになるようなものはできないか、これからの吹奏楽界、吹奏楽コンクールに繋がる新しい形はないのか、などなど考えるための時間ではないでしょうか。
そのうち収まるという考えで、ただ待つだけでは勿体無いです。
これまでの吹奏楽コンクールの形に戻ることが関係者が望むことであはありますが、全てが丸く収まって全て元通り、では日本の吹奏楽発展のチャンスが失われてしまうのではないか、そんな考えでいます。
良い未来の予想、最悪の事態の予想をしながら、対策を考えて準備することが「自分がコントロールできること」です。
よりよい吹奏楽の活動のために、部活動の在り方、吹奏楽の楽しみ方や在り方を考えながら進んで行ってほしいと願います!